シリーズ
この美味しいには、
理由がある!
安来のヨーグルト

搾りたての牛乳だからできたやさしい味わい
濃厚な風味とコクをクリーミーなヨーグルトに

おなかの健康のためにヨーグルトをとられる方も多いと思います。スーパーなどの売り場には様々な銘柄、産地、品質のものが数多く並び、最近では内臓脂肪低減や免疫力アップ、アレルギー症状緩和などの機能性やプラスαの健康効果をアピールするヨーグルトも次々と登場し、まさに百花繚乱という様子ですが、そうした流れとは関係なく40年近くも変わらない味わいと家伝の製法を守り、選ばれ続けているヨーグルトが安来市にあります。

大自然からの贈り物、毎日届けられる新鮮搾りたての牛乳をていねいに加工していきます。

渡邊さんが若いころに描いた漫画がトレードマークに

取材に訪れたのは安来市伯太町日次の里山風景の中にある小さな工場。ここで隣接する牧場から毎日届く新鮮、搾りたての牛乳を使い、ヨーグルトやプリン、アイスクリームをていねいに作っています。経営する渡邊太郎さんは「ヨーグルトづくりは父の代から始めたもので原材料は牛乳・砂糖・乳酸菌だけ、酸味控えめで生乳の風味豊かな味わいになります。これは父が若いころに研修先の本場ヨーロッパで口にしたヨーグルトの濃厚な牛乳の味わいに衝撃を受け、そこに近づけようと試作研究を重ねた末にできたものです」といいます。1960年に渡邊さんの祖父が酪農家となり生乳を生産する牧場を開き、父がその生乳を使ってヨーグルトづくりを始めたのが1988年。以来、製造設備などは随時新しいものに更新されてはきましたが、製法そのものは変えることなく続けてきたといいます。それは渡邊さんの父の作り上げた製法と味わいがいつの時代の人にも受け入れられたという証し。「皆さんの健康を応援します」をモットーに、乳化剤や化学合成物質を一切使用しないという姿勢を頑固に引き継いでいるところも安心・安全な食を求める人々から支持を集め、選ばれる理由かもしれません。

隣接する牧場の牛たち、大人しいホルスタイン種、活発なジャージー種ともに自前の牧草とネッカリッチ飼料(※1)を食べて育ちます。

健康を応援する乳製品の数々。塩ヨーグルトや米粉プリンなどバリエーションも増えてきています。

良いものは、良い原材料から
その味わいに共感が広がる

おいしいヨーグルトづくりの基本は、もちろんおいしい牛乳です。隣接する牧場で飼われているジャージー種とホルスタイン種の乳牛から毎朝6時と夕方4時に搾乳する新鮮な生乳をブレンド。ノンホモジナイズ製法(※2)によって搾りたての風味や栄養をより自然に近い形で残し、それを80度の比較的低温でゆっくりと殺菌します。40度まで温度が下がったところでブルガリア菌とサーモフィルス菌を入れて4時間発酵させると2種類の菌が生きたままのヨーグルトのできあがり。それをカップに充填し蓋をして10度以下に冷蔵して出荷します。プリンも同じ牛乳と安来産ネッカ卵(※3)、粗糖だけを使用し、85度で蒸して作ります。薄めの素材本来の味がわかる素朴な味わいが魅力となっています。

地元産原材料にこだわったやさしい味わいのプリンは首都圏でも人気の品

こちらのヨーグルトやプリンは地元の中海圏域だけでなく首都圏でもその品質と味わいが評価され人気商品となっています。きっかけは首都圏に展開する高級スーパーのバイヤーの目に留まったこと。取引が始まるとメーカー商品とは違う手作り感と健康へのこだわり、やさしい味わいが口コミでたちまち評判に。人気ロックバンドが自らお気に入りとメディアで紹介したこともあり販路も広がったといいます。渡邊さんの妻陽子さんは「全国各地からこの味に癒された、病気の母がよろこんで食べてくれた、ピュアでやさしい味に感動しましたと便りが届きます。ほんとにうれしい」と感謝を口にし、渡邊さんも「ヨーグルトやプリンを食べて、癒された、助けられたという皆さんの声を励みに、皆さんのことを思いながら作り続けていきたい」と話していただきました。

安来市伯太町にある直売店の前で、渡邊太郎さん

 

(※1)樹皮炭と木酢液を混ぜ合わせた飼料

(※2)一般的な牛乳では脂肪の分離を防ぐため牛乳の脂肪球を細かく砕いて均一にする処理(ホモジナイズ)がなされるが、ノンホモジナイズ製法はそれをせず生乳の風味や栄養をより自然に近い形で残す、効率よりも質を重視する製法。

(※3)ネッカリッチ飼料を与えて育てた健康な鶏が生む卵

■取材協力
 株式会社Mui(ミューイ)(わたなべ牧場)