環境放射線等 調査結果
島根県では、地域住民の皆様の安全確保及び環境の保全を図るため、環境放射線等の調査を行っています。
今期の調査結果を検討・評価したところ、
異常は認められませんでした。

1.空間放射線量率2025年1月 – 3月
原子力発電所周辺の空間放射線量率を連続監視する装置で計測し、放射性物質が周辺環境に影響を与えていないかどうかを確認しています。
「平常の変動幅」を超える線量率が測定されましたが、いずれも降水等による線量率の増加によるもので、
島根原子力発電所による環境への影響は認められませんでした。




2.環境試料中の放射能2025年1月 – 3月
農畜産物、海産生物、土壌、水、塵などに含まれる放射性物質の種類と量を測定しています。
平常の変動幅内または一般の環境で認められている程度の値であり、
島根原子力発電所による環境への影響は認められませんでした。
〈測定結果:セシウム137〉
測定試料 | 単位 | 測定結果 ※1 | 平常の変動幅 ※2 |
---|---|---|---|
浮遊塵 | μBq/㎥ | 検出されず | 検出されず |
さざえ | Bq/kg(生) | 検出されず | 検出されず~0.04 |
なまこ | Bq/kg(生) | 検出されず | 検出されず |
わかめ | Bq/kg(生) | 検出されず | 検出されず~0.07 |
岩のり | Bq/kg(生) | 検出されず | 検出されず |
※1 セシウム137以外の対象核種(54Mn、59Fe、58Co、60Co、134Cs)については検出されませんでした。
※2 「平常の変動幅」は前年度までの10年間の最小値から最大値までの範囲です。(一部試料を除く)
〈測定結果:ストロンチウム90〉
測定試料 | 単位 | 測定結果 ※3 | 平常の変動幅 ※4 |
---|---|---|---|
水道原水 | mBq/ℓ | 1.0 | 0.9~1.5 |
ほうれん草 | Bq/kg(生) | 0.05 | 0.04~0.16 |
原乳 | Bq/kg(生) | 検出されず | 検出されず |
※3 「平常の変動幅」は前年度までの10年間の最小値から最大値までの範囲です。(一部試料を除く)
※4 ストロンチウム90の分析・評価には時間を要するため、1期ずらして報告することがあります。
〈測定結果:ヨウ素131〉
測定試料 | 単位 | 測定結果 ※5 |
---|---|---|
原乳 | Bq/ℓ | 検出されず |
※5 通常、一般の環境では検出されることはなく、目安となる平常の変動幅は設定していません。
〈測定結果:トリチウム〉
測定試料 | 単位 | 測定結果 | 平常の変動幅 ※6 |
---|---|---|---|
大気水(大気中濃度)※7 | mBq/㎥ | 検出されず~3.2 | 検出されず~10 |
大気水(捕集水濃度)※7 | Bq/ℓ | 検出されず~0.59 | 検出されず~0.81 |
海水 | Bq/ℓ | 検出されず | 検出されず~0.28 |
※6 「平常の変動幅」は前年度までの10年間の最小値から最大値までの範囲です。(一部試料を除く)
※7 機器の故障により一部の期間欠測となったため、測定できた期間をもとに記入しています。
3.温排水調査結果2025年1月 – 3月
島根原子力発電所から放出される、温排水の環境への影響を調査しています。
今期の調査結果を検討・評価したところ、
異常は認められませんでした。
温排水の放水方式
※水中放水方式は、表層放水方式と比べて平面的な拡がりは狭くなり、温排水の影響が出にくくなるとされています。

温排水(おんはいすい)とは?
原子力発電所では、原子炉で熱せられた水が蒸気になってタービンを回し、電気を起こします。タービンを回し終わった蒸気は、右図のように復水器に送られ、その蒸気を冷却して水に戻すために海水が使われています。
冷却用の海水は、復水器を通るときに約6〜7℃上昇し、海へ放出されますので、一般に「温排水」と呼ばれています。
海水は復水器の中を流れるだけなので、温度は上がりますが、放射性物質を含んだ水(冷却水)とは混ざりません。

水温の分布状況
(0m層における基準水温※8との温度差)
水温の分布状況は下の図のとおりでした。

号機 | 発電出力(万kW) | 放水量(㎥/s) |
---|---|---|
2号機:運転中 | 84 | 60 |
3号機:建設中 | ─ | 3 |