特 集
島根2号機の安全対策の一つである防波壁を例に、国の審査の流れをご紹介します。
原子炉設置変更許可[令和3年9月許可済]
安全対策等に関する設計方針(基本方針)が、規制基準に適合しているかを審査
防波壁の設計方針
- ①最大規模の地震(820ガル)が起きても、ヒビ割れ等による漏えいが生じないようにする。
- ②最大規模の津波(高さ11.9m)が来ても、高さ15mの防波壁で原発敷地内の浸水を防ぐ。
- ③津波によって漂流する可能性がある周辺漁港の漁船(最大で総トン数19トン)が衝突しても、ヒビ割れ等による漏えいが生じないようにする。
防波壁(海抜高さ15m)
設計および工事の計画認可
各施設・機器の設計および工事の計画(詳細設計)が、許可した方針のとおりにできているかを審査
防波壁の詳細設計の例
(設計方針①・②・③関係)
- 最大規模の地震が起きても、防波壁の各部にかかる力が許容範囲内に留まり、ヒビ割れ等による漏えいが生じないことを確認
- 漁船の重さを57トン(総トン数19トンの3倍)に設定した上で、考え得るどんな速度・角度で衝突してもヒビ割れ等による漏えいが生じないことを確認
保安規定の変更認可
手順書や保安規定(発電所ルール)に、許可した安全対策に必要となる手順・体制が反映されているかを審査
防波壁に関する審査の例
(設計方針②関係)
- 津波への対応に必要な要員の配置・教育訓練の実施
- 日常的な防波扉および水密扉の閉止状態の管理および点検の実施
- 大津波警報が発令した場合の対応手順、体制の整備
[水密扉の閉止]
使用前事業者検査
実際の現場工事や体制等が、認可したとおりに実現できているかを現場で検査
検査の例
- 新たに設置した安全対策設備の構造検査
(材料、外観、寸法等の検査) - 新たに設置した安全対策設備の性能検査
(設備の試運転等)